サマーキャンプ(3)

アメリカに来て最初の夏(2002年)のサマーキャンプの続き。。。


シアトルでスポーツする環境は、本当にすばらしい。どこの公園も緑の芝が丁寧に管理されていて、野球場の場合は、観覧席が設けられている。当然ゆったりとした駐車場付き。気がつくのは、自動販売機の数が極めて少なく、ごみ一つ落ちていないこと。


この恵まれた環境で、初のキャンプ(Baseball General Skill)が始まった。


これは、午前中だけ2時間30分のキャンプで、小学校低学年(一年生から三年生)が対象。
まずはじめに受付。受付の女の人にニコニコされながら名前が書かれたシールを受け取り、胸につける。本人は相当緊張した顔つきだが、自分の名前と、エンジョイしてね?と言われて、コクンと頷く。(後で聞いたら、本人曰く、何を言われたのかは、まったくわからなかったとのこと。)
我々に向かっては、「○○のご両親ね。心配しないで大丈夫よ。終わるころ迎えに来て。」と、これまたニッコリ。このアメリカ人の笑顔には、本当に救われる。

半分くらいの親は、受付を済ませると帰って行ったが、残りの親はそのまま残って始まるのを待つ。やがて時間が来て、ヘッドコーチが集合の合図をすると、コーチたちの周りに子供たちが集まる。


ヘッドコーチによる、よく来たね、これからよろしく!みたいな挨拶から始まって、各コーチの紹介。どこどこの大学出身で、いま何々大学のピッチングコーチをしている、とか、200X年からこのキャンプに参加している、とかを手際よくヘッドーコーチが話していく。各コーチはこれまたニコニコしながら、片手を挙げたり、帽子を振ったりしている。
一通り紹介が終わると、一般的な注意事項。特に時間には厳しいようで、始まる時間には道具を揃えて準備を整えていないといけないと注意があった。アメリカ人は時間にルーズなのを感じていたので、ちょっと感激。どんなに遅れても、決して走る子もいないし、親も急がせる感じがしなかったが、やはり必ずしもそうではないことを実感。安心した。


その後、年齢と体つきに合わせて5チームに分かれてキャッチボール。この間に、コーチたちが各チームを回って、調整(レベルあわせ)。その後本格的な練習が始まった。息子は、上級者のチームに連れて行かれ、後で聞いたらやはり自身になったようで喜んでいた。シアトルに来てから友達もいないので、親子で庭でキャッチボールをしていたのが良かったのかなー、と嬉しくなった。


何とかできそうな感じがしたことと、さすがに見ている親も少なくなったのでここでいったん帰宅。終わる30分前くらいに迎えにいった。


ゲーム形式の練習をしていて、わいわい楽しそう。息子もそれなりに混じってがんばっているようだ。
最後はまたみんなで集合して、野球選手のカードを貰って解散。このカードを渡すときも、何人かづつ呼んで、「何々賞」「何々ヒーロー」のような感じで盛り上げながら渡す。子供たちも拍手しながら、結局全員がもらえるようになっている。


解散して、息子に会ってから「どうだった?」と聞くと、「ほら!」といってユニフォームの後ろポケットから「ひまわりの種」を取り出し、口に入れた。「どうしたの?」「コーチたちが、ゲームで待っている間に、みんなにくれた。」と言って嬉しそうにかんでいる。そういえば、グラウンドのフェンスにこのメーカーのバーナーが張ってあったことを思い出した。


こうやってサマーキャンプに無償で配り、知名度や、野球をしながらひまわりを種を食べる習慣を作っていく。恐るべき、マーケッティング。


非常に緊張したものの、なんとか後ろからくっついていきながらこなしていく自信がついたとのこと。また、明日も楽しみだと言うのを聞いて、こちらもほっとした。


ぜひ、貴重な経験を積んでほしいと思う。



(写真は、練習が終わってコーチから諸注意を受けている様子。迎えに来た親たちが見守っている。)